最後の一日

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「……オーケー。 わかったわ。 さっさと打ちなさい。 もともとこんな場所、手に職つけるために来ただけでなんの義理もないし。 ……ねえ、知ってた?私、アンタに殺してもらうのが夢だったのよ。」 一歩、また一歩と私は近づく。 背中には、ベルトに挿した銃の感触。 抜いて撃つまで一秒。 ヤツはそんな欠伸が出そうな時間を見逃しはしないだろう。 ……だからこそ。 策で殺す。 私は歩を止める。 「……気をつけて。アンタの背後20メートル。 増援が狙ってるわ。 アタシに位置の誘導を指示している。」 声を押し殺し、そう言ってやる。 ヤツの瞳孔が開く。 もちろんこんなものは嘘八百だ。 「だから逆にフェイントをかけなさい。 私が合図したら横に大きく飛んで、射撃に失敗した相手を撃ちなさい。 ……いい? 5、4、3……」 ヤツは私の誘導に従い、少しずつ身体をずらす。 飛んだが最後……撃ち抜いてやる。 「1、ゼロ!」 打ち合わせ通り、ヤツは横に飛んだ。 自分でも驚くほど俊敏に隠していた銃を抜き放つ。 銃声が響いた。
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