Prologue

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そして、黒鎧と巨人の戦いは三時間に及び、冒頭へと紡がれる。 巨人と黒鎧。 互いに持てる力は巨大。 その力も互いの防壁を崩せず、戦いは拮抗していた。 『…おいナビ! エネルギー残量は?』 『46%、マガジンはラスト一個でミサイルもあと一発だ。どうするよ相棒? このままじゃジリ貧だぞ?』 絶対の敵に攻略法を見出だせず、限りある力に焦りを見せる鉄の巨人。 (魔力の減りが早いと思ったら魔力供給のラインが繋がっていない。中途半端な召喚をしおって……!) そして、それは黒鎧も同じだった。 互いが互いに絶対の盾を持つ不明確な敵に、矛の残りに焦りを見せる。その焦りが、長く続く戦いに状況の変化をもたらした。 『相棒、弾が無くなりゃ近接しかなくなるぜ。そうなりゃ終わ………』 『近接か。そりゃ悪くない。ソード、ダガー換装用意』 『マジで言ってんのか!? 近接じゃシールドも張れねぇんだぞ!?』 『良いから速く出せっ! 操縦者との円滑な意思疏通がお前のコンセプトだろうがっ!』 『あぁもう、わかったよ! 知らねぇからな』 巨人の背中と脚の装甲が開き剣の柄が姿を現すと、巨人が銃を放り捨てた。 『安心しろ。俺は近接の方が得意なんだ』 巨人が片手ずつそれを引き抜く。その二つはサイズはともかく其々長剣、短剣の体を取っており、その用途は言うまでも無い。 「ほぅ。剣技で私に挑むか」 黒鎧が大剣を水平に構えた。受けて立つ…と。
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