最終論法・“月と太陽”。

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「元々、ここが地元だし 小さくてもいいから 町医者を開いて 地味に平凡に暮らすのが 今の目標らしいです。 あの人、昔から目立つから。」 あたしが微笑みながら そう話すと若杉瑞穂は 柔らかく笑った。 「あなたは伊達君がいるから 笑えるようになったのね。 伊達君も…昔と比べたら 私達の前でも随分… 穏やかになったと思うわ…」 昔の暁臣…か。 「そうだ、あなたのご実家も ここの隣町だったわよね? ご両親は今日は来ないの?」 「あ。そうなんです。 実家とは意外と近くて。 片付けの邪魔に ならないようにって 昨日から龍臣を 見て貰ってます。」 暁臣の地元とあたしの実家が 近いのも意外だったけど。 暁臣がこの家に引っ越したのは あたしの実家が近い事を 考えてくれたのかもしれない。 ・
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