最終論法・“月と太陽”。

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「引越し、お疲れ様。 たっちゃん寝ちゃったのよ。」 即興・引越し焼肉も終わり あたしの実家に 龍臣を迎えに行くと 母が柔らかく微笑みながら そう告げて。 「ありがとう。 連絡なかったけど 泣いたりしなかった?」 「大丈夫だったわよ? なんか…賢いのよね。 たっちゃんはやっぱり 暁臣さん似なのかしらね…」 ふふふ、と笑って 眠ってしまった龍臣を 抱きかかえる暁臣を 母が眺めていて。 「お義母さん。 ありがとうございました。 お義父さんは?」 暁臣が挨拶をしながら そう問い掛けると 母はクスッと笑った。 「たっちゃんを帰したくないって 駄々っ子みたいになってから フテ寝しちゃったのよ。 年かしらね? 幼児退化してるみたい。 まぁ、孫バカよね。」 …父よ。 孫バカはいいけど 幼児退化はよせ。 そうして、あたし達は 龍臣を連れて 再び、自宅に帰った。 ・
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