最終論法・“月と太陽”。

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あたしは暁臣に 誘われるままに 縁側に歩み寄り… 縁側の板張りに佇む 暁臣に静かに寄り添った。 「…あ。今日… 満月だったんだ…」 見上げた夜空に 蜜色に光る黄色の月… 暁臣があたしの手を握って ゆっくりと腰を下ろすと同時に あたしも腰を下ろした。 「…お月見…?」 無言のままの暁臣に あたしは問い掛けて。 「…前にさ。お前は “月と太陽は同じ空には 寄り添えない”って… 言ったの覚えてる?」 暁臣が問い掛ける言葉に あたしは思わず 目を見開いて。 確かに、言ったけど。 「…俺はさ…寄り添えなくても お前の太陽になりたい…って 思ってたよ…ずっと。」 ・
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