最終論法・“月と太陽”。

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「っ…やめて。 もう、それ以上は。 もう、十分だよ…」 あたしがそう言いながら 顔を反らすと 暁臣はフッと笑って あたしの額に口付けた。 「…さっき…お前が見た 箱の中のハンカチ。 引越しの荷物まとめる時に 見つけたんだけどさ…」 暁臣が唐突に そんな事を語り出して。 「ずーっと、“まさか”って 確信なんか持てなかったけど。 そのハンカチ改めて見たら 律儀に名前が書いてあって。 地元が意外と近いから まぁ、納得したんだよなー。」 ハンカチ? 名前…? 確信って…? 地元…が近い… 「…何の話…?」 「…俺が“一番最初”に お前に会った時の話。」 ・
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