最終論法・“月と太陽”。

33/37
前へ
/1518ページ
次へ
意を決したあたしの声を遮る 可愛い声が縁側に届いて。 「っ…龍臣…?」 我に返ってから 布団を見たら息子が コロンと起き上がり 目を閉じたまま 寝ぼけて座り込んでいて。 暁臣はフッと笑って 小さく息を吐き 前髪を掻き上げて。 「…………布団に行くか。」 「………はい。」 あたしと暁臣は 布団に歩み寄り 龍臣に添い寝して… 龍臣を腕の中に抱く あたしを暁臣が後ろから そっと抱き寄せて。 あたしの腕の中にいる 天使はまたスヤスヤと 寝息を立て出して… 愛しさと喜びが それだけで溢れてくる この上ない幸福感。 こんなに“幸せ”を 実感できるのは… 暁臣に出会えたから。 それを思ったら 感謝の気持ちで 胸がいっぱいになる… ・
/1518ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21013人が本棚に入れています
本棚に追加