最終論法・“月と太陽”。

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腕の中の温もりと 背中の温もりに 愛しさを感じながら あたしは言葉を紡いだ。 「…愛してるよ…」 あたしの言葉に 暁臣はふいに首を上げて あたしの顔を覗き込んだ。 「…何て言った?」 その顔が目を真ん丸に 見開いていて。 こんな暁臣、普段は見れない。 あたしはクスッと笑って。 「“他人”の男の中で 一番、愛してる」 あたしがそう告げると 暁臣もフッと笑う。 「…俺は龍臣と同格で お前を愛してるけど?」 その言葉に胸が音を立てて 暁臣が柔らかく笑った。 ・
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