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それは、本当に突然のことだった。
「少女漫画との掛け持ち!?」
ある日の真夏とのランチタイム。
「…そう」
私が上司から頼まれたのは、担当の掛け持ち。
掛け持ちは珍しいことじゃない。
逆に掛け持ちしてない編集者の方が珍しいくらい。
私は掛け持ちをしていなかったから、今回掛け持ちになったのだろう。
でも、問題はそこじゃない。
「…少女漫画って…殆ど恋愛モノよね?」
「当たり前じゃない。たまに青春ものがあるくらい」
問題は、少女漫画との掛け持ちということ、だ。
「恋愛モノ苦手なのに、どうするの?」
そう、私は恋愛モノが苦手。
理由は至って簡単。
経験がないから、だ。
ある程度経験がなければ恋愛モノなんて無理。
そもそも学生時代、恋愛漫画なんて滅多に読まなかった。
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