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つくねに責め立てられ、きっかの助けを求める潤んだ瞳が俺に向けられる。
「テンチョー、きっか、悪くないよね? ズルしたつくね君が悪いんだよね?」
「ああ。あと手を貸したあおばも同罪だ」
「え゛……」
すると腕を頭に回し、そっぽを向くつくね。
「けっ、困ったらすぐそうやって味方をつけるもんな。先生とか兄貴とかテンチョーとか。お前だってひとりじゃ何にもできねーじゃんか」
「う……」
つくねの言葉を受け、きっかの頭がしゅんと俯く。
「いい子ちゃんぶるのはいーけどよー、それを人にまで押し付けるなっつーの。ハッキリ言って、めーわく--」
「メテヲばーにんぐいんぱくとあたーーっく!」
「うごっ!?」
突然つくねの背中に頭突き……いや、体当たりをかますきっか。
「なっ、なにしやがる!?」
「……つくね君なんか、大っきらーーいっ!」
店内に響くほどの大声で叫ぶと、きっかは店を飛び出していった。
やれやれ。始まって早々ケンカか。
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