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オイラは結局きっかに追いつく事ができず、きっかの住んでるマンションまで来てしまった。
ま、鈍足のあおばが一緒だからしょうがねえか。
……で、どうすりゃいいんだっけ?
「はぁ、はぁ、その扉の横のパネルに部屋の番号を入力するんだろ」
息を切らせながらあおばが教えてくれた。
そうだった。確か番号は--
オイラは覚えていた番号を入力した。
『はい』
すると、スピーカーから女の人の声が聞こえてきた。
「あ、きっかのかーちゃん? オイラつくねだけどきっかいる?」
「つくね、いくら顔なじみだからといって馴れ馴れしいぞ」
少し間を置いて、インターホンから返事が返ってきた。
『……あの、ウチは橘よ。つくね君。それに、あおば君も』
…………たちばな?
「たっ、橘先生!? し、失礼しましたっ!」
慌ててあおばはオイラを引っ張り、マンションの前から離れた。
「馬鹿者! 今の番号は橘先生の家のだ!」
「あれ? おっかしーな。ってか橘先生もここに住んでたんだな」
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