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「きぃっっくあああーーーーっ!! オイラが悪かったあああーーーーっ!! ぐぉめんなさあああーーーーい!!」
その大声に思わず耳を塞ぐ兄貴とあおば。
「オイラ馬鹿だからっ!! 何が正しくて何がダメなのか全っっ然わかってねーからっ!! だからこれからもオイラが間違った事したら注意して叱ってくれえええーーーーっ!!」
「てっ、てめえコラ! でけえ声出すなっ!」
オイラの口を塞ぎにかかろうとする兄貴をあおばが止める。
「お兄さん! これがつくねができる精一杯の誠意です! 止めないでやって下さい!」
「離せコラ! 何が誠意だ! こんなもんただの近所迷惑なだけだろうが!」
「きっかあああーーーーっ!! 許してくれえええーーーーっ!!」
オイラは叫び続けた。これでもかってくらい声を張り上げた。
その内、マンションの窓からちらほらと顔が見え、通行人の足も止まる。
でもそんなの関係ねえ。きっかにオイラの声が届くまで、ずーっと叫び続けてやる!
でも声って、無限に出るもんじゃなかったんだな。
「ぎっ……が、お゛ぃらが、悪がっ……」
喉の奥がヒリヒリといてえ。声がかすれてガラガラだ。
くそう……ダセェな、オイラ。
こんな声じゃ、明日もちゃんと謝れるか、不安じゃんか…………。
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