準備は整った。営業を再開する。

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  「--はっ!」  大量の汗を飛ばし、俺は布団から起き上がった。  …………。  まさか……。  まさかの、夢オチかよ。  作者め……初っ端からやらかしやがったな。 ガンガンガンガン  するといきなり店の方からシャッターを叩く音が聞こえ、俺は思わず肩をすくめた。 「テンチョー、開けてくれーっ」 「今日は始業式だけだったから学校早く終わったのーっ」 「あ、ああ、わかった。しばし待て」  一抹の不安を覚えながらも、シャッターに近づく。  そして向こう側にいるであろうガキどもに恐る恐る尋ねてみた。 「……一応確認するが、お前達だけだよな?」 「決まってんじゃん」 「新学期早々この店に来る物好きはオレ達くらいのものですよ」  それはそれで複雑だな。 ガラガラガラガラ  ゆっくりとシャッターを開けると、いつもの面子がそこにいた。  笑顔のそいつらの手元には、自己紹介が書かれたフリップがあった。
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