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―――廻り始めた歯車は、決して止めることはできない。
―――例えそれが望まぬ事だとしても。
「銀ちゃん?/銀さん?」
神楽と新八に呼ばれ、しばらく反応を見せなかった銀時が漸く反応する。
しかし、それは普通の反応ではなく飛んでいた意識が我に返ったかのように…。
そして銀時は立ち上がり周りを見回した。
心配そうに自分を見つめる家族であり、大切な仲間の新八と神楽。
……………と依頼人。←
そこはいつもの万事屋。
つい先程まで居たはずの館の前ではなく、勿論、あの化け物も居ない。
「夢……か??」
銀時はそう思い安心した。しかし、自分の左手に握りしめられた紅い日記帳。
これが“夢ではない”と、さっき起こった出来事が事実であったと証明していた。
(……マジで時間が戻ったのか?)
銀時は茫然としつつも、とてつもない疲れに襲われ、思わずその場に座り込んでしまった。
座り込んだまま銀時は未だに自分の手に持っている日記帳について考えていた。
自分の目の色と同じ紅い辞書のような…聖書のようなそれは、まるで、あの館での出来事を忘れさせまい。としているようで……
薄気味悪く、目を離したくとも何故か視線を離なすことが出きない
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