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机の中から宿題を見つけた。
俺はそれを取って急いで帰ろうとすると転校生に
「ちょっと!」
と、呼び止められる。
…なんだろ…凄く怖い…
と、後ろにお化けでもいるかの如く恐る恐る振り返りながら
「何?」
と聞き返すと転校生は机の中から今朝俺が貸したシャーペンと消しゴムを取り出した。
「これ、返すの忘れとったから…」
あ、あー、あれですねー、あー…
…俺も忘れてたのはあえて言わないでおこう。
とか、思いながら
「あー…別に明日で良かったかなとか思ってたから」
とか、かっこつけて言うと
「あ、そ…ま、ありがとな」
と彼女は俺にペンと消しゴムを差し出した。
「あ、うん…てか転校生さんは誰からペン一本借りたの?」
あの時に湧いた疑問を彼女にぶつける。
「…バックに入っとったわ」
彼女はぶっきらぼうに答える。
「その偶然…だれが転校生に貸してたのかと思ってたの…」
と、言おうとすると
「てか、ちょい!」
いきなり転校生のトーンが変わり、俺の言葉が遮られる。
「さっきから転校生転校生ってなんやねん!私を影で愚痴るのは勝手やけど私には星野亜紀っていう名前があんねん!!次転校生言うたら蹴りいれるで!?」
と、めちゃめちゃまくし立てられた。
…すっげぇ怖い
「…はい、すんません」
俺は言いながらいそいそと渡されたシャーペンと消しゴムをカバンに詰める。
「…なんで貸してくれたん?」
いきなり転校生…じゃない、星野が話しかけて来た。
「…貸すのに理由とかいらないだろ?」
「…いや、私に貸すとか…意外過ぎて…」
「別にそんなの俺は気にしねぇよ。困ってる人をわざわざ見過ごす意味も分からないしよ」
嘘です。めちゃくちゃ貸すか貸さないで葛藤してました…
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