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俺は一人、ポツンと立っている。
壁や床と言った概念が存在しないような空間。
上は真っ白。下は真っ黒。
とても静かで不気味である。
「ここ、どこよ?」
何があったか思い出そうとしても『殺害』『淘汰』『混沌』『ヒーロー』などと意味不明な羅列の言葉が並ぶのみ。
そして何故か『神山 仁吾(カミヤマ ジンゴ)』と言う名を覚えている。
勿論、俺の名前ではない。
しかし、俺自身の名を思い出せない。
「ハロろーん。
大丈夫かい? チミ」
なんか不審者が出て来たんだけど……。
「あ、ミーは邪神でござるよ」
やっぱ不審者だ。
右が黒、左が白という髪色。
右が白、左が黒という肌の色。
明らかに可笑しい格好である。
「何で信じてくんないのー?」
当たり前だ。「はい、そうですか」とは言えないよ……。
「ま、話進めるよー?」
勝手に進めんな。いや、面倒だから黙っとくけど。
「まず、あなたは死にましたー」
爆弾発言ー! いきなし何言ってんの!?
「正確には、神に『神山 仁吾』君の代わりに殺されましたー」
えー!? てか、記憶の中にあったんだ?
「まあ、君は神山君の代わりに殺されたから輪廻の輪から外れて永遠の無を彷徨ってた所をミーが助けたわけ」
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