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◇◆◇◆
明後日
「よく逃げ出さずに来ましたわね」
「当たり前よ。負けないもの」
明後日の放課後、闘技場にて対面するドリルとレミ
「それで、なんで俺はここに座ってなきゃならないのさ」
俺とヤミちゃんは闘技場の横に設置された実況室に座らされている
『なんでって、そりゃもちろん。ユウリさんは今回の決闘の賭け品ですから。あ、それから話す際はマイクをお使いください』
実況担当であろう女子がマイクでそう話す
『ああ、これね。それじゃあ、早速始めちゃってください』
「それでは、これよりレミ・ソフィスグレス、マミ・セモポヌペの決闘を開始する。両者構え!」
互いに武器を構え、相手に集中する
「始め!」
審判の合図を切っ掛けに、レミが一気に距離を詰める
『なっ、なんと!レミ選手、あっという間に間合いを詰めた!これは驚きだ』
『当たり前だよ。俺とヤミちゃんがバッチリ鍛えたんだから。ねーヤミちゃん』
『ねー』
『ユウリさん、師として素晴らしいですね。私と付き合いません?』
『いやいや、冗談言ってる暇あるなら実況しなよ。』
『そうでした………おっと、これは激しい!随分と突きを連打していますが。紙一重で避けるマミ選手』
『いやー、これはわざと避けさせて、相手の体力を奪う作戦でしょう』
『なんと!余裕ですレミ選手。あえて急所を狙わずにジリジリと追い詰めます。これを破るにはどうすればいいでしょうか』
『魔法で距離を取って遠距離攻撃から攻撃しつつ、体力を回復させるのが一般的だろうな』
ドリルは魔法を地面に放ちレミの動きを一瞬封じ、魔法で身体を強化して距離をとる
『あら、ヒント与えちゃったかな?』
『ダメじゃないですかぁ』
ドリルは、魔力を右手に溜め始める
『おおっと、早期決着をするつもりか』
『ありゃダメだな』
レミは、魔法が放たれる前に一気に距離を詰める
ドリルは、初級の魔法を連発して牽制する
だが、鉛の雨と比べれば大した事はない。レミは軽々と避け、更に加速し強烈な一撃を与える
『大魔法で一気に行くのは良い考えだけど、発動までに時間が掛かりすぎてる。上級魔法なんて息するレベルで使えるようにならないと、使えるとは言えないよ。魔力コントロールからやり直しだな。』
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