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「コソドロとは感心しないな。ユウリ・ライトロード」
研究室の入り口に立ち、静かにそう言うギルフォート
「あらら、見つかったか……よくわかったな」
「気配を消していても、俺がお前の存在をわからない筈がない。女になってようが、魔力のこの感じはユウリ・ライトロード……お前だ」
「ああ、女のままだったか……」
俺は一回転して男の姿に戻る
「ま、久しぶり……だな。どうだ?調子は」
「そうだな。大体8割まで回復した……もう少しで全快だ」
「なるほど、そいつは結構……んで、俺はお前にいろいろ聞きたいことがあるんだが?」
「なら、力ずくで聞き出してみるか?」
ギルフォートは、不適な笑みを浮かべそう言いながら魔力を解放する
「…へっ…ただじゃ教えてくれないわな……」
俺も、魔力を解放して臨戦態勢になる
「だが、俺もお前に聞きたいことがある。ここは互いに情報交換といこうじゃないか」
ギルは高めていた魔力を消し、そう言う
「なんだ、なら最初からそう言えって」
俺は笑いながらそう言う
「ちょっとした冗談じゃねーか」
ギルはフッと笑い、そう答える
「とりあえず、ギルがなんでここに居るかはわかってるが、なんで協力してるんだ?」
「ああ、まあ、俺はお前に怪我を負わされてすぐにここに召喚されたんだが、早い話、誰にも邪魔されずに療養に専念できるからだな。魔界じゃ魔王亡き今、自分が新たに魔王になろうとする雑魚が多くてな。おちおち寝ちゃいられねぇわけだ。それに、あの記憶を消すとかいう茶々な魔法なんぞ効かん」
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