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「居たか!?」
とある街の路地裏。
昨日捨てられたものだろうか? まだ食べ物の形を残している生ごみが散乱している場所には似つかわしくない格好の男が焦りの声を上げた。
「いや、こっちにはいない、南の方に行ったんじゃないか?」
「くそ、逃がしはしないぞテロリストめ!」
吐き捨てるように男はそう言うと、頭に被っている兜をしっかりと装備する。
それに倣い、もう一人の男も手に持っている槍を確かめるよあうに強く握りしめた。
「よし行くぞ、早いところ見つけてしまわなければ式典にも支障がでる」
「だな」
警備兵だろうか?
全身に光を反射して輝く鎧を装備した男二人は小走りでその裏路地を後にした。
ガシャンガシャンという喧しい金属音ももう聞こえない。
もうそろそろ安全だろうか?
取りあえず確認の為に俺は路地裏の隅に置いてあったゴミ箱からひょいと顔を出した。
よし、周りに警備兵隊の気配はない! 今の内に自分の家まで戻ろう。
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