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二時間ほどで、歓迎会はお開きとなった。やっと解放される……と喜んだのもつかの間……わらわらと社員が出てくる中、私はひっそりと影を潜め、柱の陰に立っていた。
そんな私のもとに……完全に千鳥足の幹事、こと、佐藤さんがフラフラと寄ってきた。
しまった! 見つかった? 眉をひそめた私。
暗いから表情までは気付かれてないだろう……と祈りつつ
「かっ、しっ、わっぎ、さぁ~ん♪」
いきなり、ガシッと肩をくまれて、その勢いでよろけて倒れそうになった私。おっとっと、
ハイヒールで何とか堪える。
「二次会行くよね?」
「えっ?」
全体重を預けてくるから、お、重い、重い、重い……た、倒れる、倒れる、倒れるよ~~
「ねぇ、行くでしょ?」
お酒の匂いが混じった息が顔にかかる。
近い、近い、近くないですか? 先輩!
少しでも離れようと、後ろに頑張ってのけ反るも、体重乗せてくるから、うまく避けられない。
えっ? 嘘でしょ? 誰、こんなに、飲ませたの?
「ねぇ、行こうよ♪」
フッと息までかけられた。ひゃっ! もう無理! 限界! 誰か、助けて!
叫べないから、心で叫ぶ。
「佐藤、飲みすぎ! 新入社員にセクハラしてんなっ!」
ベリッと引きはがされた。何故か、コージには届いていたらしい……
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