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” 目が点 ”とはこのことだ、 何で、コージが? 私の頭はパニック寸前……いや、すでにプチパニック? 佐藤さんからベリッと引きはがされ、二人の間に遮るように登場したコージ。私の視界はコージの背中。他には何も見えなかった。 「え~、ひどいな~菅沼さ~ん、俺セクハラなんかしてないし~コミュニケーションだよねぇ~、ねっ! かっしわっぎ、さ~ん?」 呂律のハッキリ回らない、佐藤さんの声と、同時に、いきなりコージの背中の横からヒョイッと佐藤さんの顔が飛び出してきたから、思わずビクッと肩を揺らしてしまった。 「そ・れ・が・セクハラ」 いつもより低いコージの声。コージの大きな左手が、佐藤さんの頭をつかみ元の位置へと押し返した。私の視界から、佐藤さんは消えた。見えるのは、コージの背中だけ…… コージは、新入社員としての私を助けてくれただけ……私の上司として、部下を守っただけ……ただ、それだけ…… それだけだけど……胸の奥が熱くなって、視界がじんわりと滲んでいく。 私は誰にも気づかれないように、慌てて目元を拭った。
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