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何故か同じ駅で降りてきたコージ。本当に家まで送るつもり? チラッとその横顔を窺うも、コージの表情からは何も読み取れない。 改札を出ると、 「家、どっち?」 と一言。なんかムカついたから、返事はせずに、無言で指差した。 「行くよ」 先に歩き出したコージ。どうやら本気で送ってくれるらしい…… 歩いて、10分足らず。我が家が見えてきた。 「ここ、です」 立ち止まった私、見上げたコージの瞳に我が家が映る。 「そっか、じゃっ、お疲れ」 駅へと歩き出したコージ。 「あのっ」 考えるよりも先に、言葉が出ていた。ゆっくりと振り向いたコージの目に、ようやく私が映される。
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