逆転少年少女

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僕の恋は泡雪だった。いやが上にも、抱擁するように掬わなければ、溶けて指の股から落ちる。僕は、落ちた滴を受け止めれなかった。 僕は、泡雪の如く儚い君を目で今も追うけど、君は僕とは違って、僕のように中途半端な温もりは、駄目だったみたいだ。 何時もと同じく、君は冬場に氷菓子を手に友達と笑っている。学校帰りに僕と毎日、通いつめた駄菓子屋のお婆さんに笑われて、顔を合わせず目を下に向けていた。 今では君は、友達に冬場でも氷菓子を食べるから笑われてる。僕は、君の背を遠くから眺めるしかない。 僕は、そう。結局は、別れた人間だ。君を傷付けたくないのに、傷付けて、泣かせて、逃げ出したのだから合わせる顔はないはずだ。でも僕はきらいになってはない、僕は、今でも立ち去る君を目で追って仕舞う。 君と一緒に帰った日は忘れれない。でも、僕は君に中途半端で、君は、中途半端な僕に溶かされた。 僕は、友達との会話に屈託のない微笑みを浮かべる君をもう見ない。目で、追わない。 だからこの場を離れよう。電信柱に身を隠して、校門の影で君が下校するのをまって、なにをしたいのだ。 足が崩れて、背を擦りながら電信柱に凭れ座る。灰色のコンクリートに落ちる白い雪も、君みたいだ。落ちて、コンクリートは君を溶かして染みにする。
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