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二人いっしょに帰ってきた。
兄（ということになっている）志井暮人はバイト先のペットショップ、弟（ということになっている）志井侑都は医科大学と、それぞれ違う場所にいるのだが、帰りはいつも待ち合わせていっしょに帰っていた。
二人は仲が良かったから。
血を分けた兄弟ではない。互いに孤児で、養子として育てられた。それがわかっていたから家族としての意識はなかった。仲のよさはべつのキモチから来ていた。
「ただいま、信濃川！」
侑都は、部屋に帰るなり奥へ向かって呼びかけた。
部屋にはだれもいないから返事のあるはずもない。しかし、ペット禁止のマンションなのに、飼ってはいけない生き物の姿がそこにはあった。
信濃川――。
「さ、今日はエサの日だよ」
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