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爬虫類であるヘビは何日かに一度エサを食べるだけで十分だった。変温動物は体内で熱を作らないから代謝が低く、低カロリーでも生きていけるのだ。その代わり熱を環境に依存するため寒くなると活動できなくなる。だから日本に住むヘビは通常、冬眠する。
しかし信濃川は外国産で冬眠はしなかった。
侑都は水の入っていない水槽の底でジッと動かない信濃川の様子をみた。
「あれ……? 暮人」
と兄を振り返る。
「なんだよ?」
「信濃川の様子がへんだ」
「へんて……?」
「コオロギに反応しない」
エサとして飼育していたコオロギを信濃川の前に置いても見向きもしない。こんなことは今までなかった。
「体調でも悪いのかな……?」
「どれどれ……?」
暮人は水槽をのぞきこみ、信濃川の体を観察する。
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