信濃川

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「あれ……お腹が膨らんでいるぞ」 「え……?」  歯のないヘビは獲物を丸のみする。自分の顎をはずして、かなり大きな生き物でもエサとして飲み込んでしまうが、消化するのにかなり時間がかかるので、その間、ずっとお腹が膨らんだ状態になる。 「でも、それはおかしいよ。こんな大きなエサはやってないのに」 「そうだよな……」  二人とも覚えがなかった。密閉された部屋で他にだれがエサを与えるというのだろう。しかもここにはコオロギしかいない。  首をかしげるばかりだった。  二人は出かけるとき、玄関を開けた隙に入り込んだネズミに気がつかなかった。もちろんそれがガニガニ・9・ボーテによって改造されたスパイネズミだということも知らない。
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