本願寺健の考察

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薄いピンクのパジャマに包まれて、階段を降りる。 華やかな柔軟剤の匂いが鼻先を掠める。 今日はひまわりの匂いだ。 凝り性でマメなお父さんは柔軟剤を季節毎に使い分けている。 今は梅雨だから一足先に夏を先取りしたのだろう。 私はいつも、ご飯を食べてからお風呂に入る。 だからこうやって先に着替えてから飯を食べるのが習慣化してしまっているのだ。 逆に妹は先にお風呂に入ってから、パジャマに着替えてご飯を食べる。 なので、私達がご飯の時に顔を合わせる事はほとんどない。 中学の時は、朝ご飯で顔を合わしていたが、高校になった今では私の方が早く家を出てしまうため、会話をする事がめっきり減ってしまったのだ。 四人がけのテーブルにお父さんと二人向かい合わせになって座る。 この光景にもだいぶ、慣れてきたような気がする。
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