蜘蛛の瞳

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よっつめの目でも、いつつめの目でも、むっつめでも、ななつめでも美しいものは見えなかった。 あんた、こんなに目があるのに、いいものなんてなにひとつ見えないじゃないか。 案外死んでよかったんじゃないの? あぁ、もうひとつあったんだっけ。 息を呑んだ。 目に飛び込んできたのは青。 一面の空の色。 ふふん、なかなかじゃないか。 柄にもなく美しいと思っちまったよ。 やっつめの目で空を見た。
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