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「お風呂」
僕に背中を向けたまま、キッチンにと歩く音砂さんは独り言のように囁く。
「沸かしてるから、風邪を引きたくなかったら入りなさい。お風呂場には着替えも用意しておくから。私は自分の部屋にいるから、もし何か他にも聞きたくなったら来なさいな。あと、ここにあるものは好きに使っていいから」
大方の説明をした後、淡白に一言。
「おやすみなさい」
そうして音砂さんは、ぱたりとリビングの扉を閉めた。
広すぎるリビングには、僕だけがまたひとり取り残された。
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