生と死の狭間の歌

朝の歌。

そう。
天音は、心臓に病気を抱えているのだ。
これを知る人は、学校側と家族と少数の友達だけだ。
貧血を起こしやすく、度々寝込むことがある。
しかし、今日に限って、調子がいい。
天音は食卓について、ご飯が運ばれてくるのを待つ。
天音のご飯は、主治医である一樹が献立を考えてくれる。
天音は特に嫌いなものがないので、一樹が困ることはなかった。