第1章

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誕生日の朝。 父、母、姉と私は玄関に集まっていた。 クロユリさんの魔法で、うちの玄関がクロユリさんの家と繋がるのだ。 着替えはいらないらしいので、小さな手提げ袋に歯ブラシなど必要なものを入れている。 姉は、1週間クロユリさんの家にいたが、私はどうなるか分からない。 いつ返してくれるかも言わない叔母にまた苛立つ。 ずっと1人だから、自分勝手になるのだ。 相手の都合も考えられないんだ。 「行ってきます」 ドアを開ける。 姉の時と同じ。 白く光って向こうが見えない。 「行ってらっしゃい」 家族の声を聞きながら足を踏み出した。
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