第1章

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やっぱり、彼女はクロユリさんじゃないのかもしれない。 きっとクロユリさんを呼びに行ったのだ。 彼女を見たときはとても驚いた。 変わり者で、魔法使いで、 40代のおばさん… その上、自分勝手… そう思っていたのに、家にいたのは、素敵な若い女性。 そりゃあ驚くでしょ。 でも、どうしてあんなに素敵な人がクロユリさんの家にいるのだろう? クロユリさんも、そこまで自分勝手で悪い人ではないのかな? 姉も母も好意を持っているみたいだったし、会う前から悪く言うものじゃないよね? 少し反省。 私は部屋を見まわした。 焦げ茶色の壁、茶色の床。 テーブルとイス以外のものは何もなく部屋が広く感じる。 驚いたことに、心地よい明るさなのに窓がない。 しかし、息苦しさもなく、こうして見まわして初めて窓が無い事に気がついたくらいだ。
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