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それにしても、やれやれ子供相手に少し大人げ無かったかもなーなんて考えて相変わらずパラソルの影で寝転んでいたヒロユキの元にクロエとリッシェルがやってくる。
「ヒロユキー、具合はどうですかー?」
「んー?マッサージもしてもらったし、少しはマシになったかもな」
「マッサージ……あいつか……」
クロエにジト目を向けられたヒロユキは、さっきのれんげとのやり取りもあってか、クロエから目を背ける。
「マッサージならオレもしてやるよ、ヒロユキ!」
「お前が?大丈夫なのか?」
「今、びしょ濡れだから乾いてからの方がいいかな?」
「是非、そのままでお願いします!」
秒で仰向けに寝直したヒロユキが真剣にお願いすると、クロエは腕まくりするような仕草をして、
「よーし、任せとき!ぜってー赤毛のより気持ちいいから!」
「なんか丸出しの下心が見えるのでやめておいた方がいいですよ、クロエ」
鼻の下が情けないぐらいに伸びまくっているヒロユキにリッシェルが疑惑の視線を送る。
「下心って?」
既にヒロユキの腰に座ったクロエが尋ねると、リッシェルは顔を赤くして、
「わ、私からはそんな事は言えませんよー!とにかく危険なんです!!」
「なんのこっちゃ?ただマッサージするだけだよな、ヒロユキー?」
「デュフ、デュフフフフ、その通りだよ、クロエ。逆にリッシェルさんに聞きたいなぁ?どんな下心があるのかを!!」
言いたくないと言うのに、変な笑い方をするヒロユキを見て、リッシェルはいても立ってもいられず
「くぅぅ!卑怯ですよ、ヒロユキ!こんな純粋な少女を騙すような事をするなんて!ロリコンですか!」
「はい、ロリコンです!!」
「遂に認めた!?遂に認めましたか!?開き直りですか、ヒロユキの鬼畜!ケダモノ!!」
「リッシェルさんが何を言っているのかまるでわからんなぁ!?さあ、クロエ、思う存分頼む!」
「よーし!」
舌なめずりなんかしながら、クロエの純真がヒロユキに汚されるかと思った、その時だった。
クロエがヒロユキの肩を揉んだ瞬間、ボキリと大切な何かが折れたような鈍い音がした。
「どう、ヒロユキ?気持ちいい?」
「オブデュクシ!!あいだだ!!あいだだだー!!!ほ、ほほ、骨がぁ!肩の骨がぁぁぁぁぁ!!」
「マッサージってやった事ないけど、これでいいのかなぁ?」
続いて左腕を揉まれて、またもボキリぐしゃりと大切な何かが折れた音が鳴る。
「うがうぶへッ!?もうよせ!やめろ!自慢の怪力で全身の骨を粉砕するつもりかぁー!?頼む、リッシェル!止めてくれぇー!!」
「ふん、自業自得ですよ」
「アッーーーーーーーーーーーー!!!」
クロエのマッサージで全身ゴキリボキリと鳴らされたヒロユキの骨は次々と折れて逝ったようだ。
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