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流石に初対面の女子の前で俺の息子を全開にしたままでは話が進まないと思ったヒロユキは、倒れたまま、誰も傷付かないように器用にタオルを腰に巻いて、
「あの、すんません……お嬢さん、とりあえずの応急処置が必要なんで薬草とか持ってないですか?」
「あ、ああっ!そう言えば、頭から落ちたんだった!!大丈夫!?」
ノリで聞いてみただけなのだが、ブロンズ髪の少女はサッと駆け寄り、ヒロユキの側に座り直して両手を開いて、
「ヒール!」
彼女が唱えると緑色の光が出て、ヒロユキの頭の傷が少しずつ治っていく。
「おお……これは……イイ!!」
すごく心地良い光だったので、つい声が出てしまった。
女の子はドン引きしながら、まるで腐った生ゴミを見るような顔になったが、コホンと咳払いして、
「ね、ねえ、どうして?」
「どうして?いやあ、これ効きますわ、もう大丈夫みたいですよ」
よっと上半身を起こしてヒロユキが座り直すと、少女は光を出すのを止め、青い瞳をキョロキョロと動かしてバツが悪そうに、
「い、いやー、なんで来ちゃったのかなー?とかなんで、は、裸なのかなー?とか」
「聞いてくれます?風呂入ってたんですけどね、風呂。それがなんでか身体が光り出して」
「へ、へえ、ああそれでぇ……」
「ん?今、目を反らしたか?」
「反らしてない!」
少女はキラキラした笑顔を向けた。彼女いない歴=年齢のヒロユキには刺激が強すぎて思わず頬を赤らめてしまうが、
「いーや、騙されないぞ!声だって上擦って……」
「上擦ってなんかない!」
「…………」
こいつは何かを隠しているらしいという核心を得てしまったヒロユキは一先ず立ち上がって辺りを見回す。
不思議な事に、こんな事になる前、まだお風呂で幸せな一時を味わっていた時は確かに夜だったのに、今は晴天眩いお昼になっている。
ここは緑豊かな草原と言った所だろうか。
あ、よく見ると遠くにパンツとスーツのズボン、ちょっと離れた所にワイシャツも落ちている。
「ヒロユキはパンツを手に入れた!」
「バカやってないでさっさと履け」
「あっ、はい……」
とりあえず、着る物はギリギリ持ち込めはしたが、本当になんつータイミングだよ……とパンツとズボンを履きながらヒロユキがふと、さっきいた辺りを見返してみると、
「…………おい」
「何かしら?」
「そのあからさまに怪しい魔方陣はなんだ?」
「さあ?なんという事かしら、これは邪悪な魔方陣よ!早急に消してしまいましょう!」
そそくさと足を使って消そうとする少女を見てヒロユキは察した。
「やっぱりお前の仕業じゃねぇかぁぁぁああ!!!!」
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