第1章

10/12
前へ
/12ページ
次へ
「は、は、橋本君こそなんでこの高校選んだんですか?」 いや、確かに私だって橋本くんと同じ高校ってわかった時はうれしかったけど…。 「スポーツ推薦だよ。」 「でもスポーツ推薦って頭いい高校とかで行くもんじゃないんですか?」 「ここの高校はサッカーが強いからな。おまえこそなんで?」 「近くて。バイト先からも近くて。勉強ついて行けそうだったからです。」 ついていけてませんけどね。自分の馬鹿さにあきれるわ。 「ついていけてねーじゃん。親から何も言われないの?」 「特に何も。放任主義?なんで。」 うちの家庭は母子家庭で特にあーしろ、こーしろ、とかは言われない。 だからといって、勉強してなさすぎなんだけど、お母さんからは就職したらお金は返してもらうって言われてるし。 今もバイトして自分のことは学費以外全部払ってるし。 「そっか。うちと違っていいな。」 「そーかな?うちは母子家庭なので。バイトも大変だし。」
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加