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最小限の動きで木々を避けながら、爆発音のした方向へ急ぐ。
「フェン、止まって」
森の入り口に近付き、フェンに合図を送り、気配を殺して木々の間から様子を見る。
木が生えていない少し開けた場所で、1人のローブを着た、多分男と1匹のドラゴンが対峙していた。
ドラゴンの方はさっき話してたエントだ。男の方は多分ギルド員か何かだろう。
男の方はそうでもないが、エントは身体中に傷があり、満身創痍といった感じだ。
『マズイな…あいつ立ってるのもやっとみたいだぞ』
「そうみたいだね。あの男がまた攻撃する前に止めないと」
でもおかしいな…
エントは、普通の攻撃なら簡単に避けられるはずだ。
不意打ちされたとしても、ある程度は反応できるはずだけど…
『おいユキ!マズイぞ!』
1人考えていると、フェンが焦ったような声を出した。
はっとして顔を上げると、フードの男がエントの死角に回り込み、攻撃を仕掛けようとしていた。
「ッ!?やめろおおおおおおお!!」
僕は、男がエントに攻撃する前に、木の間から飛び出し、男を思いきり蹴り飛ばした。
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