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「おとうさん!おかあさん!やめてよ!」
「黙れ!この化け物!」
「あんたさえ…あんたさえいなければ!」
ドカッ
「うっ…なんで…?」
「気持ち悪い。早く行きましょ」
「ああ」
ーーーーーバタン
「おとうさん!おかあさん!あけてよ!」
「うるさい!お前なんか俺の子供じゃない、この化け物め」
「そうよ、化け物だって知ってたら、あんたなんか産まなかったわ」
「そ…んな…」
「じゃあな、もう会うことは無いだろうよ」
「まって!いかないで!お願い、ひとりにしないで!」
少年は呼びかけるが、だんだんと二人の足音が遠ざかって行き、ついに聞こえなくなった。
「なんで、どうして?僕は化け物じゃないよ…嫌だ…ひとりは嫌だ…誰か、助けて……」
少年は訴えるが、それに答える者はいない。
ただ、少年のすすり泣く声だけが、辺りに響いていた。
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