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ーーーーガバッ
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、」
目を覚まし、勢い良く起き上がる。
…………またか。
幼い頃から、何度も見ている夢だ。
いつものことだから、もう慣れた。
身体中から吹き出た汗を流すために、シャワーを浴び、時間を確認してみると、まだ6時だった。
「すこし早いけど、朝食にしようかな」
朝はあまり食欲がないので、軽めのサンドイッチにすることにした。
パンにハムとチーズ、レタスを挟んだ簡単なものだ。
朝食を食べ終え、少し風に当たろうと思い、家の外に出る。
家のすぐそばにある湖のほとりに座り、陽の光を受けてきらきらと光っている水面を眺める。
僕が暮らしているこの家は、人々に『死の森』と呼ばれている森の中にある。
名前の由来は、森の構造が迷路のようになっているのと、普通では考えられないほどの強さの魔物が現れることが重なり、生きて帰れる確率が極端に低いからだ。
昔、この森に入ったほとんどの人が帰って来なかったらしい。
そのため、この森は危険区域に指定され、一般人は立ち入り禁止となっている。
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