面倒ごとの始まり

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「よし、欠席はいねぇな・・・っと、お前らのお待ちかね、修学旅行は来月だ。今年は確か・・・ローマの観光巡りだな。一週間の」 ホスト(笑)の言葉に耳を疑った僕は悪くない。 ローマの観光巡り一週間? ワロエネェヨ・・・ ありえない、高等科でこれならば初等科は一体どうなると言うんだ。 「(金持ちの考えることは違う、か・・・)」 「そこで、だ」 ホスト(笑)が言葉を区切った。 「まだ一ヶ月もあるが今のうちにペアになる奴を決めとけ。ペアになった奴は飛行機、部屋、諸々隣の席になる。あ、観光は班だからな。じゃあSHRおわり。あー、疲れた」 ホスト(笑)はそう言って教室から出てったが・・・これで疲れてたんなら中学の教室どうなんだよ・・・。 「颯斗ー、ペアくまね 「颯斗!その、さ・・・修学旅行のペア組まねぇ?」 悠斗の言葉を『わざと』遮って蓮がやって来た。 あらら、悠斗の奴、青筋立ててやらぁw 「おい転校生、お前何の権限あって颯斗に言ってんだ」 「幼馴染の権限」 「俺には親友の権限があるな」 ガラッ!! 「失礼します、蓮、いますか?」 「ゲッ・・・副会長と翔、しかも会計・・・」 変な声をあげたのは蓮。 そういや会計と副会長と書記は同学年だったな。 「蓮、俺なんかより生徒会の奴らを選んだらどうだ?」 「う・・・会計さんなら・・・」 「ほら転校生、生徒会様がお呼出だぞ」 半ば無理矢理、悠斗は生徒会に蓮を預けた。 「改めて颯斗、俺とペアく 「あのっ、須賀君!!お、俺とペアになってください!!!」 何なんだよ皆して!!」 悠斗が打ち拉がれているが知らんぷり。 確かこの人は・・・ 「中川琉璃、さん・・・?」 「はい!」 中川琉璃。飴色のフンワリとした髪にクリクリな大きな黒の目の可愛らしい生徒だ。 そのため、強姦されかけているのを良く風紀で助けたことがある。 「その、俺、あんま友達いなくて・・・だからと言って他の人だといつ襲われるかわかんないし・・・」 「俺でいいのか?」 「はいっ!須賀君なら俺のこと男して見てくれるし頼れるから!」 「・・・と、言うことだ。悠斗は他の奴と組んでくれ」 「チェー、わかったよ」 悠斗はルックスいいしペアなんてすぐ見つかるだろ。 「じゃあペアよろしく、中川君」 「普通に琉璃でいいよ!」 「わかった」
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