面倒ごとの始まり

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「遅いな、颯斗・・・」 新歓終了後、いつまで経っても戻ってこない颯斗を探しに悠斗は風紀の元へとやってきた。 「そのことなんだが・・・俺達も須賀の姿を見ていないんだ」 「え!?」 「今、風紀総動員で探してるんだけど何しろこれだけの広さだから見つからないんだ」 「まさか、レイプされたんじゃ・・・!?」 最悪の考えを想像した悠斗に、副委員長と委員長は顔を顰めた。 「須賀は強いがその可能性はある・・・もしもの時は須賀を落ち着かせるのを手伝ってくれ」 「もちろんです。俺も、探しに行ってきます!!」 「お願いね」 駆け出そうとした悠斗の目の前に焦った風紀委員の一人がやってきた。 「委員長っ!!須賀さんが見つかりました!!!!」 「何っ!?」 「どこに!?」 「中庭で頭から血を流してる状態で・・・」 悠斗の顔は青ざめた。 「すぐに救急車で近くの病院へと運びました。今は恐らく手術中だと・・・」 「今すぐ病院へ連れてってくれ!!」 病院ー 手術室の前には颯斗に似ている少年が泣きそうな顔で座っていた。 「あ・・・兄さんの・・・須賀颯斗の弟の、須賀海と言います・・・」 「林悠斗だ・・・」 ガチャッ 手術室の扉が開いた。 「先生!兄さんは・・・!」 「あぁ、大丈夫だよ。そこまで傷は酷くなかったけど血を流しすぎたのと、腕を少し骨折してたね。何日か安静にして、鉄分を作るものを食べさせれば大丈夫だよ」 「よかった・・・」 心底安堵したのか、海は椅子に座り込んだ。
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