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『お前は、世界を破壊したいか?』
不意に…俺は背後から問いかけられる。
知らない男。
いや………知っている?…のか?
思い出せないのに、猛烈な既視感に襲われて、俺は目と頭に強い痛みを覚える。
それは、黒いアンダーウェアの上に、薄汚れた灰色のバトルスーツを羽織っている。
バトルスーツの其処彼処(そこかしこ)が、何か黒ずんだ液体が飛び散ったような跡に染められている。アレは…もしかして………血?
髪型も顔つきも一見すると粗暴そうなその男。しかし、その目だけは何故か一切の感情を窺わせない静かなものだ。それが、かえって不気味さを増している。
「…破壊じゃない。俺は、この世界を救いたかったんだ。そして神も…」
この男は危険だ。
俺の脳は、しきりに警告信号を発しているが、何故か俺は問いに答えていた。
どうしても、その必要があるような気がして。
『神?………あの核(コア)のことか。アレは、お前がお前自身でたった今、滅したのではないか?』
「………そうだ。俺が…」
・・・
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