第2章 SurvivalAbility(生き残り能力)

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   必死に考えて…やっと、もう二つほど、仮説的なものを考えてみた。  その1つ目…  「…えっと。俺は、今、この瞬間に誕生した?」  あは…。さすがに無いよな。それは。  物心ついた瞬間…なんてものは誰も覚えていないだろうし、そんな瞬間的に訪れることもないだろう。そもそも、生まれた直後から、こんな風に自問自答を始める赤ん坊って…ちょっとねぇ。天上天下唯我独尊…とか、試しに口に出してみるか?…いや。止めておこう。絶対違うし…。  何よりも、記憶…は無くても、何故か知識はある。  これが、今、この瞬間に誕生したのではないことの証(あかし)だろう。  まぁ、前世とか…そういのから引き継いだのかもしれないけど…なら、前世の記憶というのがあっても良さそうだしなぁ…。  ということで、2つ目が本命。    「何か、全てを忘れたくなるほど、すっごく嫌なことか、悲しいことがあった?」  お?これ…どうよ、これ!?  もちろん、さっき目を開く以前の記憶がまるでない自分には、そんな悲しみとかショックだとかで全てを忘れた経験なんて無いけれど…この理屈なら、記憶が全くないけど知識だけがある…っていう状態を、一番、無理無く説明できてるんじゃないの?  うん。 ・・・
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