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『…お前は、我が望む色とは異なるが…世界を破壊したいのであれば契約を結ぼう。核を失った今、我にも憑代(よりしろ)は必要であるし…な』
「ヨリ…し…ろ?…な、何を言っている?…俺は、世界を破壊したくなんか…」
『契約は成った。お前の言葉に興味はない。お前の【心】が我が契約を受諾した。それが全てだ。今より、お前がこの世界の核となる。我は、我の存在理由として【世界の破壊】を果たそう。契約に基づき…』
「ま、待て!…何を言っている…俺は、契約なんか…」
しかし、俺の叫びにも似た言葉に耳をかそうともせず、そのバトルスーツの男は音も立てずに空中へと浮かんでいく。高度がますごとに、存在を希薄なものへと変えながら、俺が見上げた真っ暗闇の空へと吸い込まれていく。
あいつは…
あいつはいったい何なんだ?
神か?…いや。神は、俺がこの手で今、滅ぼしたばかりだ。あいつの言うとおり。
神が不在となってもなお存在し続けるこの世界を…あいつは、破壊すると言った。
それが、あいつの存在理由であり、俺の願いでもあると…。
どういうことだ?
どういう………
・・・
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