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プロローグ
(1) 終わらない世界
・・・
神は死んだ。
俺が、殺したからだ。
この世界を終わらせるために。
だが…世界は終わらなかった。
何故だ?
この世界は神が生み出し、神が在ればこそ成立していたのではなかったのか?
俺は、神を殺したために血塗(ちまみ)れになった両手を見下ろす。
俺は、この世界を救いたかった。
俺は、自分ではもう止まれなくなってしまっていた神を…救いたかった。
だが…
胸の高さに持ち上げた両手は、何かをすくう形に上向きに開かれているけれど…その掌にすくわれたものなど…黒ずんだ血以外には何もない。
・・・
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