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「青少年よ!脚を動かせえぃ!」
放課後。
さっちゃん先生によるSHRが終わると、陸上少女が取り巻きを連れて元気よくやって来た。
いや、まだ行くか決めてないんだけど……。
そして1つ、重大な事に気が付いた。朱祢がいつ帰るのか、俺知らないじゃん。
一言陸上少女に断って携帯電話を取り出しながら廊下に出る。少しだけ騒がしいが、まぁ問題ない。
叔母さんに教えられた朱祢の携帯番号を入れて電話を掛ける。
《はい》
ワンコールで出た。
ラグを考えると、朱祢は携帯電話が鳴って直ぐに出たって事になるんだが……まぁいいや。
「俺、今大丈夫か?」
《……どうして番号を知ってるんです?》
「叔母さんが教えてくれた」
《あの母親は~~っ!》
「まぁまぁ。っで、お前いつぐらいに帰れるんだ?」
《……わざわざ確認するという事は》
「うん。待つ気だ」
《はぁ。分かりました。6時前には校門に居てください》
「了解。じゃな」
そう言いつつも、電話が切れるのを待ってからこっちも切り、教室に戻る。
陸上少女が股上げをしていた。
「……お前、落ち着きがないとか言われない?」
「よく、言わ、れる、けど?」
「取り敢えず落ち着きなさい」
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