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* 電話を切り、深く息を吐く。 どうにもあの人は私に対して過保護な気がする。あれですか、妹が出来た気分なんでしょうか。 「朱祢~!そろそろ行くよ~!」 同じクラスの子が遠くから声を掛けてくる。見ると、大体揃っているようだ。 ここは無駄に大きな体育館。私達はここから委員の仕事に出掛けている。 委員の仕事は直ぐに終わる。私達生徒に任されているのは維持ぐらいなのだが、向こうでは派手にやっても咎められない為、残って練習する人も多数いる。 私もその1人だったのだが。 この場を仕切っている教師の元に行き、終わったら残らずに帰る事を伝える。 「そうか。お前は優秀だから居てくれると助かるんだがな」 「すみません。家の事情で早く帰らないといけなくなったんで」 1年A組担任のこの人はとても優秀な先生だ。 無事この学校に入る事が出来て気持ちが緩んでいる人達を程好く引き締めてくれた。 今の所なんの事故も起こっていないのはこの先生が細かく目を光らせているからだろう。 「それは今日C組に入った宮本悟史関連か?」 ドキリとした。 大丈夫、母さんに教えられた事はまだ誰にも知られていない。
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