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赤信号の歩道で止まる。
「最初のギラギラした目はどこ行ったんだか」
「あ、あれは、ちょっとした勘違いというか、思い込みと言いますか」
「ふーん。俺はそういう目も出来るのかと関心したがね」
「Mなんですか」
「ドの付く方のな」
「うわぁ」
調子良く答えていたら何故か引かれてしまった。変な事言ったか?
青信号に変わったので自転車を漕ぐ。漕ぎ始めは二人乗りのせいかうんざりする程重い。
「まぁなんだ。これからよろしくな。後輩」
「なんでこんなのが先輩なんだろう……」
「おいボソッと酷い事言うな。泣くぞ。うえーんって大人気なく泣くぞ」
「ホントに大人気ない」
そんな感じで、他愛無い話をする事一五分。俺が着ているブレザーの制服と朱祢が着ているセーラー服の制服を着た人が結構な密度で言い合っているのを発見した。
「なんだあれ。邪魔にも程があるだろ」
「邪魔なのは否定しませんけど……、あれはAとBの組です」
「一組二組三茄子か。アルファベットなのな」
「先輩はC組に入るでしょうから、あれとは関わらない方が良いですよ。いえ、関わっては駄目です」
「駄目と来たか」
そして何故断定?俺も知らない事なのに。
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