3/20
前へ
/46ページ
次へ
赤信号の歩道で止まる。 「最初のギラギラした目はどこ行ったんだか」 「あ、あれは、ちょっとした勘違いというか、思い込みと言いますか」 「ふーん。俺はそういう目も出来るのかと関心したがね」 「Mなんですか」 「ドの付く方のな」 「うわぁ」 調子良く答えていたら何故か引かれてしまった。変な事言ったか? 青信号に変わったので自転車を漕ぐ。漕ぎ始めは二人乗りのせいかうんざりする程重い。 「まぁなんだ。これからよろしくな。後輩」 「なんでこんなのが先輩なんだろう……」 「おいボソッと酷い事言うな。泣くぞ。うえーんって大人気なく泣くぞ」 「ホントに大人気ない」 そんな感じで、他愛無い話をする事一五分。俺が着ているブレザーの制服と朱祢が着ているセーラー服の制服を着た人が結構な密度で言い合っているのを発見した。 「なんだあれ。邪魔にも程があるだろ」 「邪魔なのは否定しませんけど……、あれはAとBの組です」 「一組二組三茄子か。アルファベットなのな」 「先輩はC組に入るでしょうから、あれとは関わらない方が良いですよ。いえ、関わっては駄目です」 「駄目と来たか」 そして何故断定?俺も知らない事なのに。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加