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「ちょっと待っててください」
「あいよ」
後ろから朱祢が降り、とことこと言い合いをしているAB組、合わせて海老組の元へと歩いて行く。
何かの話をし、俺を指差すと海老組が釣られて俺を見る。暫くしてから渋々といった感じで真ん中を開けた。
行きと同じくとことこと戻って来た朱祢にどういう事か聞いてみる事にする。
「何、今の」
「お母さんの名前と貴方の事を話しただけです。さ、早く通り過ぎましょう」
「ホント、あの人何者だよ」
軽く呆れながら、くっそ重いペダルを再び漕ぐ。脚力上がりそう。
「んじゃ、自転車置いたらそのまま職員室行くからここでお別れだ。帰りも乗るか?」
「いえ、私は委員会で遅く成りますから待たなくていいです」
「なぬ。女の子一人の夜道だと?お父さんそんなの許しません!」
「お父さんじゃないでしょう。貴方」
「あいあい。じゃな」
時間の余裕がもうそんな無いので戯れも適当に切り上げ、急いで自転車を置きに行く。
なんでか複数の方向から見られてるが気にしない。見かけない顔だからただの好奇心なんだろ。
カバンの中から上履きを取り出して履き替える。
廊下を歩き出して二歩で俺は思った。
職員室の場所知らねぇー。
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