愛情 #2

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愛情 #2

『まあ、擁耀としては悠希が御破矢(ミハヤ)の血を引いていて良かったと思うぞ』  悠希の髪を弄び、擁耀は柔らかい笑みを浮かべた。  長い爪に髪が絡まる。 『そうでなければ、擁耀は悠希には出会えなかったであろうから。出会えていても、こんなに愛せないだろう』  傍に居れるから、必要とされるから情が溢れだす。傍に居ないのなら、聖獣と人間の関係では、それは無理であろう。 「嫌よ。擁耀が私と世都以外の人間を抱き締めるのは。耐えられないわ」  悠希は長い擁耀の髪を不機嫌に引いた。そんな悠希に、擁耀は聲を立てて笑った。 『世都は良いのか?』  擁耀は愉しそうに問い掛ける。まるで言葉遊びの様に。 「そうよ。世都なら、許すわ……」  何かを探られているような気分になった悠希は、少々憮然とした。 『悠希に出会う前は、擁耀も他の使役遣いに仕えていたぞ』
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