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 潤は生まれ乍ら定められた使役ではない。後からつけた聖獣だ。それを解放するには、下した事を逆に行えば良い。潤に珠を戻せば良いのだ。しかし、それは互いにリスクも伴う。 「そんな積もりは無いよ。全く負担は感じないんだ。だから、潤は解放してあげない。敢えて言うなら、少し眠いくらい」  カップに手を伸ばし、いただきますと言ってから、世都は口を付けた。芳醇な香りが鼻を抜ける。 「なら、却って都合が良いね。眠れないと言って夜更かしばかりしているんだから」  眠れない。しかし一人は淋しいと言って、珪翔が傷を負った直後から、世都はよく夜中まで瑶の部屋に入り浸っていた。そのまま眠ってしまう事も多々有る。精神的に不安定になっていたのだ。 「うん。そうかも……」  世都は否定するでも無く言った。 「瑶さん、怒ってないの?」  少し間を置き、世都は今一番気になっていたことを素直に訊ねた。きっと叱られると思ったから……。
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